最終更新時間:2007年04月25日 00時55分38秒 ページ閲覧回数:811
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ガンダム辞典
第15回 統合整備計画とMSV
新しいMSに求められるのは高性能だけではない。MS開発は生産性と運用性向上の歴史だ!
MSの生産性の向上
ジオンのMSは複数の企業で開発されていた。
このことが、機種間の部品の互換性を失わせ、外観やコクピットの仕様はもちろん、携行可能な兵装まで違うという状況を生み出してしまった。
問題の解決を委ねられたマ・クベは統合整備計画を実施。
部品の共有と生産ラインの簡略化、操縦系の共通化を、わずか4ヶ月で実現する。
一年戦争中期以降、ジオンが続々と新型機を開発、実戦投入できたのは、この計画の成果だ。
バリエーションという考え方
高い汎用性を持つMSだが、戦場へ投入されると、局地戦に対応した機種が必要となった。水陸両用MSなどは典型的な例だ。
そこまで特化しなくとも、改造や改修された機体、新たな戦術の要請から生まれた実験機も多数、製作されることになった。
これらの機体や、<真紅の稲妻>ジョニー・ライデンらエース・パイロットの使用したカスタム機などはMSV(Mobile S.U.I.T Variation)という分類で呼ばれている。
特定の機体のバリエーションを生み出すMSVは、MSの規格化という方針に合致するものだった。
設計を見直された主力機たち
統合整備計画はそれまでにあった機種の再設計をもうながした。
第2期生産型と呼ばれる、リック・ドムIIやザクII改は、コクピットの形状や携行兵装の兼用が可能となっていた。部品の互換性が生まれたことで生産性は格段に向上した。
同様に、新規の機体もそれまでの機体との互換性を重視することになった。
ペズン計画
ペズン計画で開発されたガルバルディは、白兵戦を重視したギャンの発展期だが、外観はゲルググに似ている。これは、ゲルググの生産ラインを利用することが考えられたためだ。
ちなみにペズン計画は秘密裏に進められ、存在が明らかになったのが終戦後であったことなどから、この計画で開発されたMSはMSXに分類される。
第1世代MSの限界
ガルバルディは高い運動性能を持っていたが、パイロットへの肉体的負荷が大きかった。このため、限界性能を引き出せず、性能は従来機程度に留まってしまった。
ガルバルディは戦後、連邦軍によって改修、ガルバルディβとして量産された。
ガルバルディβはコクピットをリニア・シートに換装した以外、ほとんどジオンが開発した機体と変わらない。にもかかわらず、機体の運動性は3割も向上した!
ガルバルディは早すぎた名機ともいわれるが、一年戦争末期の段階で、従来の設計で引き出せる性能は限界に来ていたのだ。
参考資料
- ボンボン2007.3
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